The Rugby Championship ワラビーズVSオールブラックスの感想
こちらも先週末に開幕した南半球4か国でのリーグ戦。
今シーズンのスーパーラグビーでのオーストラリア勢とニュージーランド勢の試合はニュージーランド勢の26勝0敗。
オーストラリアのチームは一度も勝てませんでした。
ということもあって、戦前は圧倒的にオールブラックス有利の報道でした。
実際、前半は40-6でオールブラックスリード。
ワラビースはほぼノーチャンスで、最終的にどこまでオールブラックスにトライを重ねられるのかというくらい圧倒されました。
フェイズを重ねてトライラインに近づいてもオールブラックスのディフェンスの面はなかなか崩れず、ペナルティ2本での6点が精一杯な感じです。
後半もオールブラックスが2トライを重ね、点差は54-6まで広がります。
この後ワラビーズが意地を見せたのか、オールブラックスが緩んだのか分かりませんが、ワラビーズが4トライを重ねて、20点差まで盛り返したものの、ワラビーズは不安だらけな感じです。
オールブラックスのタックル成功率87.5%に対して、ワラビーズ76.5%
特にBK陣のタックルミスの数が違いすぎます。
FWだけでなく、BKも含め、チーム全体が背走しながらのディフェンスを強いられる場面が多かったという事でしょう。
ディフェンスでのターンオーバーはオールブラックスの8に対して、ワラビーズ4
その他の数字では勝敗に決定的な違いを生むほどの差はないように思いましたので、上記2つの数字が勝敗を分けたように思います。
見逃した方はYoutubeに上がってるのでぜひ
次節はNZに移っての再戦。
スーパーラグビーでのオーストラリア勢の惨敗や、チーム削減でのゴタゴタなど、オーストラリアラグビーには今年は良いニュースが少ないですので、ここで意地を見せてもらいたいものです。
トップリーグ開幕戦トヨタ自動車ヴェルブリッツVSヤマハ発動機ジュビロを観に行ってみて
先週金曜日開幕したラグビートップリーグ開幕戦を観に行ってきました。
豊田スタジアムで行われたトヨタ自動車ヴェルブリッツVSヤマハ発動機ジュビロ。
トヨタ自動車のお膝元での開催とあって、客席はトヨタの社色の赤一色。
画像は試合開始までまだ時間があったので空席が目立ちますが、この後バックスタンド1Fはほぼ埋まって、多分開放の予定がなかったと思われる2Fも開放されてました。
トラックもなく見やすいスタジアムです。
昨シーズンのトヨタは7勝8敗で8位と不本意なシーズン。
新HCに世界的な名将ジェイク・ホワイトを迎え、キャプテンに新人の姫野を据えて心機一転のシーズン。ジュアン・スミスやジオ・アプロンなど、スプリングボクス経験も豊富なベテランも補強してます。
対するヤマハは、昨シーズンはサントリーとの直接対決の負けて2位。奪ったトライと得点は1位でした。
FW1列全員が日本代表に入り、昨年は三村、仲谷、今年は大戸も代表に呼ばれるなど、メンバーは大きく変わってませんがより充実してる印象ですし、矢富、大田尾のゲームコントロールはリーグ屈指です。
が、今シーズンの目玉は何といっても五郎丸の復帰でしょう。
ゲームは残念ながら大雨の中キックオフ。
あのコンディションの中で両チーム我慢できてたと思いますが、どちらも攻め手に欠いた前半でした。
後半も一進一退の攻防でしたが、攻守に於いてヤマハが一枚上手だったように思います。
中でも、この試合は矢富のランと長いパスが起点になっていて、トヨディフェンスの的を絞らせなかったのが効果的だった感じです。
ただ、マイボールラインアウトを失いすぎたので、早急に改善しないといけません。
肝心の五郎丸ですが、長いキックで効果的にエリアを獲得してましたが、ハイボールの処理がちょっと不安定だったかな。
BK間でいくつか嚙み合わないプレーもありましたが、これは時間とともに解消されるでしょう。
トヨタもFWはよく前に出てましたし、ルーアン・スミスがいた時間はスクラムも対抗してました。
ジュアン・スミス、ジェイソン・ジェンキンスといった実力者や、この日好プレーを見せた姫野など、どこが相手でもFWはいい勝負ができそうです。
9,10のところでの戦術的なキックや、10,12がもっと前にでてプレーできればトライまでいけるんじゃないかと・・・
この日観客は27,871名‼
こないだの代表戦より入ってるんじゃないでしょうか!?
トヨタの動員の努力や、五郎丸の復帰初戦という事もあった数字だと思いますが、せっかくこんなに多くの人に観てもらったのに、次にトヨタが愛知で試合するのは第9節。10月21日の豊田自動織機がホーム扱いの試合までありません。トヨタのホーム開催に至っては12月9日の第11節・・・
鉄は熱いうちに打てではないですが、もっと近いタイミングで組めなかったんでしょうか?
こないだも書きましたが、開催スケジュールに偏りがあるように思えてなりません。
いっそのこと、チーム数減らしてホーム&アウェイ開催にすればと思わずにいられません。
トップリーグオフィシャルサイト"薫田強化委員長に聞く今シーズンの見どころ①"を読んで
もやもやが晴れない・・・
やっぱり危機感はないんだなと・・・
日本代表チーム15人制強化委員長のインタビューです。
これから始まるトップリーグの見どころというインタビュータイトルですが、この時期にこんなインタビュー読まされるファンは心配しかしないんじゃないかと・・・
前段では、サンウルブズ、日本代表、所属チームと活動の幅が広がる中で、トップ選手は1年中活動することになるなか、所属チームとどう連携して選手のフィジカル、メンタル両面のコンディションをマネージメントするか?といった内容でした。
フィジカルな要素が多いラグビーにあって、年間の試合数が増えればその分コンディションの維持は簡単なことではありません。
躍進した2015年W杯では、事前の長期合宿も含め、代表選手は前年のトップリーグから休みが無い中W杯終了まで戦ったとも聞きます。
報道を見る限りですが、その結果その後のサンウルブズ、代表を辞退した選手もいたようです。(サンウルブズに関してはそれ以外の運営サイドの拙さもあったようですが・・・)
そのタイミングで選手のコンディションをどうマネージメントするのかという問題は起こっていたのに、今の段階で、強化委員長が"各チームから協力したいとの意思表示はもらったけど、各論に関してはこれから詰めて行かないと・・・"と答えてるのが不思議でなりません。
各チーム協力するって言ってくれてるから、何とかなるんじゃないかと思ってるような気がしてなりません。
強化委員長自らが旗振って、何なら協会内にそのための検討委員会でも作って議論重ねて案を出すくらいの事ができないんでしょうか・・・
今から詰めて、何かしらの対策取れんのはいつになるのやら・・・
後半はトップリーグから日本代表へといった話でした。
世界基準というものを意識しながら一貫性のあるパフォーマンスを期待していると言いながら、"今後ジェイミー(代表HC)が、どんなプランを練るのかで選手を見る目も変わるでしょう"と・・・
HCには現段階で明確な戦術プランがなく、これから代表の戦術プランを組んでいくとも読めてしまいます。であれば、選手に求める"一貫性のあるパフォーマンス"というのはどんな要素なんでしょうか・・・
もともと協会、運営サイドには不思議に思うことが多いのもあって、僕がアラを探しながら読んでしまってるだけだといいのですが・・・
いよいよトップリーグ開幕‼
国内のラグビーシーズンが今週末からスタートです‼
昨年サントリーサンゴリアスが全勝優勝で、ヤマハ発動機ジュビロ、パナソニックワイルドナイツが続きました。
さて、今年はどうなるでしょうか?
金曜日開催が増えて、開幕節は秩父宮で2試合、ヤンマースタジアム2試合、豊田スタジアム1試合の合計5試合。
仕事終わってから来てほしいんでしょうけど、秩父宮、ヤンマースタジアム共に試合開始は17時・・・
社会人には厳しい時間設定です。
早速文句で申し訳ないですが、ついでにもう一つ。
毎年思うことですが、各チームの試合会場にバラつきが多すぎます。
今シーズン、各チームレギュラーシーズン13試合を戦いますが、サントリーは秩父宮で7試合。関東近郊では、他に熊谷で1試合、味の素スタジアムで1試合。関東近郊で13試合中10試合行います。
宗像サニックスは、福岡ではレベルファイブスタジアム2試合、グローバルアリーナ2試合、ミクニワールドスタジアムで1試合の5試合しかありません。
関東にチームが多いという事情もあるんでしょうし、開催経費の問題もあるのかもしれませんが、なんかフェアじゃないように思えてなりません。
もっとフェアなスケジューリングができないもんなんでしょうか・・・
秩父宮の比重があまりにも多いのも気になります。
毎年年末近くには芝がボコボコの状態になってます。
選手の怪我も心配ですし、パフォーマンスにも影響大だと思いますので、何とかしてほしい・・・
開幕前から愚痴になってしまいましたが、世界的な名将が就任したり、期待の外国人もたくさんいます。各チームが今年はどんなラグビーを展開するのか楽しみでなりません。
スーパーラグビー再編で思う事
先日南アフリカからの削減2チームが発表になりましたが、オーストラリアからの削減チームも発表されました。
オーストラリアカンファレンスからはウエスタンフォースが削減とのこと。
これでオーストラリアカンファレンスのチームはブランビーズ(キャンベラ)、ワラターズ(シドニー)、レッズ(ブリスベン)、レベルズ(ブリスベン)とすべて東部のチームとなります。
オーストラリアカンファレンスは、各チームの成績も奮わず、観客動員にも苦戦してた訳ですが、ARUの説明では財政的理由が主だと・・・
とはいえ、地元の鉱業で財をなした人がスポンサーに就くとの報道もありましたし、ARUとも契約済で、テレビ放映権も契約済となると、ウエスタンフォースサイドも黙って受け入れられる状況ではないでしょう。
チームの母体となるRugbyWAもホームページに声明を出してます。
本当に訴訟にまで発展してしまうのでしょうか?
チーターズ、キングスが削減となった時にも書きましたが、契約期間中であろうが容赦ありません。
拡大してみたら各チームの戦力差に開きがですぎて、スーパーラグビー全体の価値が下がったから、今度は削減ですって感じのSANZAARという組織のだらしなさも酷いもんですが、スーパーラグビーを魅力的なコンテンツにするために必死です。
ほんと、明日は我が身です。
SANZAARという組織にも入れてないJSRは当然発言力も皆無でしょうから、2020年まで残ってる契約が満了できるかどうかもそうですが、契約終了後の継続参戦に向けて、競技力や運営、財政の面でSANZAARを納得させる結果を出さなければいけません。
参戦から2シーズン経ちましたが、相変わらず試行錯誤を重ねてるようにしか思えないJSRや日本ラグビー界に危機感があるのか疑問で仕方ありません・・・
スーパーラグビー2017ファイナルを見て。
クルセイダーズ優勝で幕を閉じました。
2011年、2014年に準優勝はあったものの、優勝となると2008年以来となりました。
レギュラーシーズンでニュージーランド勢との試合がなかったライオンズが、ニュージーランド勢にどこまで対抗できるのか?
というのが今シーズンのプレイオフの見どころだったように思ってましたが、ニュージーランド勢にまったく引けを取らない素晴らしいチームでした。
負けてなお強し、との印象を持った方も多かったんじゃないでしょうか?
開始早々に2トライを取られ、前半終了間際にはチームの大きな推進力となっていたクウァガ・スミスがレッドカードで退場(ちょっと厳しいなとは思いましたが・・・)。
後半開始早々にキアラン・リードがトライを取った所で、勝負決まったかなと思って見てました。
その後、ペナルティもあって、25-3までクルセイダーズのリードが広がって安全圏に入ったなと。
ただ、負けはしたものの、そこからのライオンズの勇敢に攻めた姿勢は感動ものでした。
交代で入ったフレッシュレッグスの選手たちを中心に盛り返し、一人少ない状況とは思えないくらいの波状攻撃。
今シーズンディフェンスの良かったクルセイダーズを、14人にもかかわらずあそこまで慌てさせたライオンズのアタックは、相手に恵まれてたのではなく、どのチームと戦っても相手を凌駕する力を持ってたことを証明したと思います。
来シーズンもニュージーランド勢とライオンズを中心としたスーパーラグビーになりそうですが、再編されるオーストラリア勢がどう巻き返すのか?
その再編されるオーストラリアカンファレンスに編入するサンウルブズには正念場でしょう。3年目となる来季は、どれだけ財政面で貢献できても、そろそろスーパーラグビーに相応しい実力を証明できなければ批判の対象になると思われます。
スーパーラグビーファイナル‼
いよいよ明日今シーズンのチャンピオンが決まります。
2年連続ファイナル進出のライオンズが悲願の初優勝なるか?
2008年以来のクルセイダーズの復活優勝なるか?
焦点は
"ライオンズアタックVSクルセイダーズディフェンス”
ではないでしょうか?
プレイオフに入って、クォーターファイナルはシャークスに苦戦したものの、セミファイナルではハイランダーズを粉砕したライオンズに対して、ハイランダーズ、チーフスのアタックを封じ込めてファイナルに進んできたクルセイダーズ。
クルセイダーズディフェンスが大崩れするとは思えないので、息詰まるような張りつめた緊張感の80分になるように思いますが、勝負のカギは、ライオンズが相手陣に入った時にトライは取れなくても、3点取ってアタックを終えられるかどうかかなと思います。
僕の注目は、どちらのFWが相手を押し込めるのか?
運動量豊富で若く勢いのあるライオンズFWが、経験豊富な選手が揃ってるクルセイダーズFWにどこまで対抗できるのか、特に両チームの第3列がどれだけの働きができるかで勝負が決まりそうな気もしてるので、そこの争いは注目して見たいと思います。
ライオンズの初優勝もみたいし、クルセイダーズの復活優勝もみたいし・・・
明日の夜はテレビの前でビール片手に白熱しそうです。